「聴くときの心構え 7つのポイント」(後編)
今日は、ちゃんと聴くために必要な、7つのポイント5.~7.をお伝えします。
5. 正しく理解しているかどうか確認する
相手の話を聴いて理解することは、容易ではありません。例えば、いじわるされたなどの話を聴いて、「ツラいと感じているのですか?」と言葉で問いかけてみる。すると相手は、「ツラいというより悔しいです」と答えるかもしれません。(タイミングを見計らって)相手の言葉を繰り返したり、自分(聴き手)が感じたことを言葉で言い表し、伝えてみましょう。自分が感じたイメージと相手の感情を照合することができます。
6.相手の全体に気を配る
相手(話し手)の言葉だけではなく、声の調子や顔の表情や目線などを観察することで、より深い理解の助けになることがあります。「大丈夫ですか?」という質問の答えが「大丈夫です」だった。その時、声に張りがなかったり、目が泳いでいたり、顔色が悪かったりしたら、もしかしたらあまり「大丈夫」ではないのかもしれません。
7. 自分を客観的に見る
話し手が感情的になってしまうことがあります。思いがあふれて泣いてしまったり、取り乱してしまうとか。そんなとき、自分自身(聴き手)はどう感じているのか客観的に観察することです。話し手の感情に巻き込まれてオロオロと慰めたり、動揺してしまったときでも、その気持ちを忘れたりごまかしたりする必要はありません。ただ「あぁ、動揺しているな~」と冷静に俯瞰して自分を感じてみることです。
以上が、話を聴くときの心構え7つのポイントでした。
ところで、話を聴くときに「解決しようとしない、アドバイスしない」で、問題解決になるのか? という疑問もあるかもしれません。
話を聴く効果のひとつに、「カタルシス効果(自己受容)」があります。もやもやとした気持ちがすっきりする、というもの。話しを聴くことで、根本的な問題解決にはならなくても、話し手自身の気持ちがすっきりすることによって、隠れていた本題が見えたりすることがあります。さらに問題解決の糸口を「話し手自身が自分で見つけられる」ようになります。
話を聴くときには、「自分で解決する力が話し手自身にある」と、話し手を信じる気持ちを根底に持っていることが大切です。(T)