【コミュニケーション豆知識】26 <感情コミュニケーション (2) >
~コミュニケーション心理・マズローの5段階欲求~
アメリカの心理学者である、アブラハム・マズロー(1908-1970)がとなえた『マズローの欲求段階説』は、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生き物である」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化したものです。
それによれば、人間の欲求を低次から次のようになります。
1.生存欲求:生理的欲求。基本的かつ本能的な欲求。食べたい、寝たいなど生命維持のための根源的欲求。
2.安全欲求:生命維持の保障を前提に、安全・安心な生活環境、経済的安定、健康の維持など。
3.所属欲求:社会的欲求。集団に所属したい、仲間が欲しいなど、情緒的な人間関係。充足されていないと、孤独や社会的不安を感じる。
4.承認欲求:尊厳欲求。他者から認められたい、尊敬されたいという気持ち。
5.自己実現欲求:自分の能力を引き出し、創造的な活動がしたいという欲求。
1から3までの欲求は“低次の欲求”であり、外的要因への欲求とされています。日本では(基本的に)既に充たされているといわれている“欲求”です。
4と5の欲求を“高次の欲求”とし、内的に充たされたいという気持ちを表しています。自己紹介の際にこの部分を語ることにより、聴き手に対して感動や興味を呼び起こすことができるのです。
私見になりますが、低次の欲求である外的欲求が充たされることで、満足するのは自分自身(内側)なのですが、高次の欲求である「内的欲求」は、充たされれば充たされるほど、他者への貢献度が高まって行くのは、興味深いことです。~3級コミュニケーション講座より~(T)